短距離走はスタートダッシュで差をつけろ!前傾姿勢から最初の一歩を踏み出す練習方法

姿勢が決まったら、最初の1歩を踏み出しましょう。

「よーい、ドン」の合図で、後ろの足を強く蹴り、腕を大きく振って前に一歩踏み出します。
止まっている体を動かすのにはとても大きな力が必要ですから、思い切り蹴ってください。

蹴った後ろの足は素早く引きつけて、お尻につくくらいの感覚で動かします。だからと言って、本当にお尻を蹴ってはいけませんよ(笑)
その時、最初の歩幅は小さめにしてください。大きく踏み出すと体が起きやすくなります。
ぐいっと前に出る感じがつかめれば成功です。
強く蹴った足は素早く引きつけ、その勢いで次の足を出します。
足を着くのは「体の前」と考えがちですが、じつは体の中央なんです。
真下の地面を蹴るつもりでいいのです。
また、足を着くときはつま先から着いてはいけません。

つんのめるのでブレーキになり、下手をすると転んでしまいます。
頭や足だけが前に行くのではなく、体の重心を移動させなくてはいけません。

わかりにくければ腰の位置を見てあげてください。
腰が引けていたり、体が起きてしまうようだと飛び出す力に重心が取り残されています。
このとき体に力が入っていると、せっかく強く蹴っても、大きく手を振っても走るパワーに繋がりません。
筋肉も関節も縮こまっていては、伸びる余裕がありませんよね。
自分の体がバネになったつもりで、弾ける勢いでスタートラインから飛び出しましょう。


せっかく前傾姿勢で待っていたのに、ドンと言った途端に体を起こしてしまい、胸を張って走り出していませんか?
それではブレーキがかかってしまい、せっかくの前傾姿勢の意味がありません。
最初の一歩目は、倒れこんで行くような気持ちで、低い姿勢で走り出しましょう。
とはいっても、前に突っ込むのはなかなか怖いものです。
その感覚をつかむ練習をしてみましょう!

まず、お子さんにはまっすぐ立ってもらい、その前にあなたが膝をついて(立ち膝の状態で)座ります。
そのままの姿勢で力を抜いて前に倒れ、あなたはお子さんの足が出る前にしっかり受け止めてあげてください。

こうすることで前側に体重をかけるという感覚を覚えます。
普段の生活では“前のめり”になることが少ないので、思ったよりずっと前に行くものだとわかるはずです。

しかし、前に突っ込んでいくことには本能的に恐怖感を感じ、体がブレーキをかけようとします。それを支えるのが力強い脚になります。
だから脚の太ももの筋肉は体の中で一番大きな筋肉なのです。

自分の脚を信じて思い切って前に飛び出せるよう、脚を鍛えるのも大事なことなのです。
陸上の短距離選手は、太ももだけバランスが悪いくらい筋肉がついて、強靭な脚になっているのはそのせいなんです。
脚のトレーニング法も後でお教えしますから、走る練習と一緒にやってみてください。より効果的ですよ!



ヨーイドンの飛び出しの感覚がわからない

「思い切って飛び出すんだ!」と、言葉で言うとかっこいいですが、急にできるものではありません(笑)
頭ではわかっていても、体の使い方が感覚でわかっていないのです。
当然、前へ突っ込む恐怖心もありますからね。

こんなときは補助のための道具を使ってもいいでしょう。
運動器具を扱う店にはトレーニング用のゴムチューブが売っています。
これを腰に巻いて、あなたが引っ張ってあげます。
ぐいっと引っ張られ、前に体が飛び出す感覚を覚えます。

飛び出す時にはどこの筋肉を使っているのか、脚の上がり方、体の傾き方、腕の振り方など、こんなところを意識しながら練習してください。

そのまま走れば“トップスピードで走るとはどういうことか”という感覚を知る助けにもなるはずです。

ただし、力が強すぎて転ばないように気をつけてあげてください。
また、チューブで引っ張る力だけに頼らないように加減しましょう。

トップスピードを身に付けるためのゴムチューブを使ったトレーニング法




前傾姿勢がうまくできない

“前に体を傾けて構える”というこの感覚も、普段の生活では行わないことなので、掴むのがちょっと難しいかもしれません。
そんな時には坂道を利用するのをおすすめします。
スタートダッシュを上り坂でやってみるのです。

平地より前に突っ込む力が強くないと上れませんから、自然と体が前に倒れます。
上り坂なら前に傾くのも怖くないですから、この練習で感覚を覚えて、鋭く前に進む力の出し方を覚えましょう。
筋肉のトレーニングにもなりますね。

あまり急な坂では転ぶ危険があり、急激に筋肉に負担をかけるのはお子さんにはつらいことです。
あくまで感覚を掴む練習ですから、緩やかな上り坂くらいでちょうどいいでしょう。
また、アスファルトなど土でない素材の路面は、滑りやすいので気をつけてあげてください。

陸上競技会などに行くと、選手たちがスタートの感覚を繰り返し確かめているのを見かけます。
これは最初の一歩でリズムに乗ることが大事だということがよくわかっているからです。
そしてこの繰り返しが緊張をほぐしてくれるのです。

スタートで緊張するのは、余計なことをアレコレ考えてしまうからではないですか。
「失敗したらどうしよう」なんて考えずに、自分を信じましょう。
そのためにたくさん練習しましょう。  

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